1月28日(土)、本NPO法人主催の公開シンポジウム「今こそ若者にも知ってほしい待ったなし!地球温暖化」をつくば市からお二人の研究者を招き、諏訪地区高校生約50名の他、一般参加者約20名が参加のもと、諏訪市駅前交流テラスすわっチャオで開催いたしました。
最初に功刀正行氏(一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長)から「地球温暖化対策の現状」と題し、多数の資料を基に基調講演をいただきました。
功刀氏は、「地球温暖化は紛れもなく人類の諸活動がもたらした現象であること」、「原因の一つである二酸化炭素の排出量の現状は地球温暖化を2030年までに1.5℃上昇までに抑えるにはもう5~6年の猶予しかないこと」、「解決にはもはや自国政府にまかせるのではなく『気候民主主義』という理念のもとに結集する利害関係のない人々の取り組みに期待するしかないこと」などを提案されました。
会場からは、「まもなく終わる私の人生では問題ないかもしれないが、これからの人生を歩む若い世代は真剣に取り組む必要があること」、「30年前には日本も公害という環境破壊が話題になったが、その頃には地球温暖化という問題意識は存在していなかった。身近に感じた公害に比べて地球温暖化の問題はスケールが大きすぎて肌で感じにくい。このまま放置したら、今の高校生が大人になって活躍する30年後は恐ろしい事態になってしまう」などの感想が出されました。
基調講演の後には福村佳美氏(筑波大学大学院博士課程)から携帯電話を用いて、「気候変動時代の君たちと諏訪のミライ」と題したワークショップを行いました。
福村氏はユネスコの無形文化財である日本各地の雪氷文化(御神渡りなど)が地球温暖化により危機に瀕している現状を踏まえ、高校生にこの現状を解決する方法を尋ねました。
高校生から、SNSを通じて現状を発信するなど様々なアイデアや行動が提案されました。福村氏は、高校生の声を深め合いながら「無形文化財は一度消滅したら復活は難しい」「日本は世界最先端の科学技術と御神渡りや御柱祭など自然への畏敬が同時に存在する稀有な国であること」「人間は自然の一部であるという自覚が大切」であることなどを高校生に訴えました。一般の方も、「下駄スケート」「御神渡り」など諏訪の雪氷文化を後世に残していかなければいけないとの認識を深め合いました。
アンケートの結果より、参加された方多くの方々が今回のシンポジウムを有意義に感じたとの声が寄せられました。また、功刀氏からは参加者に自身の著書「人間環境革命の世紀」60冊が寄贈されました。