私がファシリテーターを引き受けたのは事務局長の北原さんよりお声掛けいただいたのがきっかけでした。まだ法人を立ち上げる前でしたが北原さんの諏訪地域の将来を考え、学校教育の力になりたいという考えに共感しました。またちょうど40歳を過ぎて、今までに学んできたこと体験などを少しでも何かの役立てられないかと考え始めていたタイミングとも重なり、お受けする事を決めました。
私は普段レストランでソムリエという仕事をしており、ワインについてお客様とお話しすることは多いのですが、学生と話をするということはあまり機会が無く、ましてワインというテーマは未成年である子供達にどのような内容で話をしたら興味を持って貰えるのだろうか?と言うのが一番の課題でした。
ワインと接する事の無い子供達に、歴史や作り方、農業としての目線、ソムリエという仕事の話などさまざまな目線からの構成を考えました。テーマである温暖化の問題が、諏訪エリアにとってどのような可能性を秘めているのかを分かりやすくするため、気象データや土壌について、ほか地域との比較、世界の傾向など今までに調べたこともない文献なども参考にしました。また、実際この一年間、高冷地でブドウ栽培とワインづくりをしている方に同行し、可能性の事実も検証しました。恥ずかしながらワインについてこれほど多岐にわたって深く調べたことはありませんでした。
その中で私自身が感じたのは、知る事、学ぶこと、考えることの楽しさでした。新たなことを知るとさらにその先が知りたくなり、知ったこと同士が結びついて新たな発想が生まれます。また、その中で過去に教わったことが役立ったり、疑問を解決するために考えたりと。
これこそ「学びのワークショップ」の目的であると思います。
ファシリテーターの話を受けた時に「教えることは最大の学び」と北原さんがおっしゃっていたことを私自身が体感した一年でした。
来期はこの体験を子供たちに少しでも感じてもらえるように、私が本業としている「ワイン」を使って楽しい講座をしたいと思います。日々学校や、さまざまなところで学んだ「点」がつながって「線」になる楽しみを伝えることが目標です。
「ワインと温暖化」ファシリテーター 野村 秀也