11月13日、茅野市「ちの地区コミュニティセンター」で、「ワインと温暖化」の第2回目のワークショップが開催されました。
1回目に引き続き、「蓼科エスポワール」のシニアソムリエの野村秀也さんがファシリテーターとして話を進めていきました。
日本でワインと言えば山梨県が最初に思い浮かびます。しかし、国産ワインの製造は長野県も山梨県とほぼ同時期にスタートしていて歴史が深いこと、今やワイン用ぶどう生産量は長野県が日本一などについて学びました。長野県のぶどう栽培は品種改良や試行錯誤を重ねながら塩尻市の桔梗ヶ原を中心に発展して、今では国際コンクールで受賞するほどになっているとのことです。ワイン醸造をしている塩尻志学館高等学校の魅力ある取り組みについても説明がありました。
世界中で人気のワインですが、今、温暖化によってぶどう産地では異変が起こり始めているとのことです。世界のワイン名産地でもこのまま気温上昇が続いていけば2050年には生産量が半分以下になると予測されているそうです。例えば、有名なフランスのボルドー地方での生産量はなんと85%(!)も低下するそうです。フランスではワイン用のぶどうが収穫できず、現在では北海道の函館で栽培をしている例もあるそうです。これまでは冷涼すぎてワインに適していないと言われていたイギリス北部、アメリカ北西部地域が有力な生産地になりつつあるとのことです。中でも中国は国をあげて補助金も出しながらぶどう栽培が大々的に始まっているそうです。
長野県でも平均気温が年々上昇していますが、これまでぶどう栽培には寒すぎると思われていた海抜1000-1200mの八ヶ岳山麓が、今、ブドウ栽培の適地として俄然注目され始めています。実際に茅野市や原村でもぶどうの栽培やワインの製造を始めた方も徐々に増えてきているそうです。原村が「ワイン特区」に認定された話も伺いました。温暖化阻止ももちろん大切ですが、先を見通して温暖化に適用していくことの重要性についての説明もありました。そう遠くない未来に八ヶ岳南西麓がワイナリーの一大産地となっているかもしれません。楽しみですね。 ブドウ栽培に着目をしてみると気候変動がはっきり見えてきます。自然の恩恵を受けながらともに生きてきた私たち。ワインから世界が、そして長野が見えてきます。